3月21日金曜日 曇り後晴れ
 
11:00 本土最東端の納沙布岬より、北方領土を望む。
 
 
大海原の彼方にお盆をひっくり返したかのような島が浮かぶ雄大な景色だが、
荒波打ち付ける足元の岩礁には、まっ二つに引き裂かれ錆び付いた
ロシア漁船が放置されている。

映画「猿の惑星」のラストシーンの如き、衝撃的な光景だ。
 
 
 
ここ根室では、町のあちこちで「返せ北方領土」のフレーズを目にする。
お世話になった民宿のおかみさんなどは、歯舞諸島・水晶島の出身だ。

中学校の地理で学んだものの東京の自分にはいまいちピンと来なかった言葉だが、
こちらでは人々のアイデンティティーに深く根付いた、切り離すことのできない歴史なのだ。
 
 
戦後60年が経ち、次々に物事が風化していく現代。
しかし、時間に任せた既成事実とだけはすまい?

そんな人々の思いが、ひしひしと感じられる。
 
 
      ※      
 
 
さて肝心の銭湯だが、今日はみなと湯、光洋湯、越の湯と3ヶ所をまわった。
昨日と合わせ計6ヶ所、根室市の全てを訪れたことになる。

総じて言えば、最果ての厳しい自然環境に対抗するためか真新しい建物ばかりで、
風情ある漁港のお風呂屋さんを想像していた自分には、ちょっと拍子抜けした感は否めない。
期待していた、ロシアの船員さんにも出会わなかった。
 
 
だが、広々として清潔で露天風呂があって、
まさに小型スーパー銭湯とでも言うべきここみなと湯では、
物凄く骨太でがっちりした、彫りの深い中年男性を見かけた。

後になって気付いたのだが、彼こそが、我々和人より遥か以前よりこの地に生きた、
誇り高きアイヌ民族の末裔だったのではないかと思う。
 
 
 
○ みなと湯

住所 根室市海岸町2-6
電話 01532-3-4450
営業 15:00~22:00
定休日 月曜